ほほほほ~ん♪

名松がおすすめしたい知識を本を通して紹介するブログです。

あなたはどのタイプ? タイプ別 境界性パーソナリティ障害

境界性パーソナリティ続き

この回では境界性パーソナリティをタイプ別にご紹介していきます。もしかしたら、あなたも当てはまるかもしれません。または、似たような行動に陥ったことがあるかもしれません。心して見ていきましょう。中には、有名人の実例を記した箇所もあるので参考程度に、見ていただけると幸いです。

 

本編は岡田尊司さんの境界性パーソナリティ障害の第五章を参考にしています。

          f:id:NAMATU:20191013093100j:plain


 
1.強迫性の強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012134102j:plain

真面目、完璧主義、妥協できない性格です。強迫性パーソナリティ障害と呼ばれますこのタイプの人は親の言いつけに良く従ってきた従順な優等生であることが多く、基本的に努力家で自分で決めたことをやりぬこうとします。しかし、人前で弱音をあまり吐かず、本心よりも親が安心するような態度を示します。

 

対人関係では、不安傾向が強く気軽に話すよりも、怒られたり、叱られないことを前提に先回りして配慮した行動をとります。自分に厳しく、完璧にできないと自分に罪悪感、嫌悪感を抱いてしまうこともあります。

 

このタイプが発症すると、周囲からはまるで別人になったように見えます。しかし、長年の抑え込んできた無理が溢れだしたためです。

 

例 ノーベル賞作家 ヘルマン・ヘッセ

f:id:NAMATU:20191013093641j:plain

車輪の下」、「ガラス玉演戯」などの作品が知られる戦後のドイツで初のノーベル賞を受賞した作家です。厳格な両親の教育に耐え切れず、癇癪を起こして知的障害者の収容所に送られます。しかし、成長するにつれ両親との手紙のやりとりをすることで症状が緩和した人物です。

 

2.依存性が強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012134059j:plain

いつも周囲を気にしているタイプで、結果相手に尽くしすぎて利用されてしまう。依存性パーソナリティを抱えた人。

 

特徴は、自分の気持ちより、相手の気持ちを優先させてしまうことが多く、友人で会ってもご機嫌取り、合わせた対応をしてしまいます。そのため、騙されやすい。次々と交友関係を広げようとする八方美人なところも。

 

基本的には献身的な性格で、客観的に見ると長所があります。しかし、発症時は尽くしてきたがゆえ、裏切られた時の反動が大きく糸が切れたように、周りに当たり散らすようになります。親に振り回された人に多く、自分で支えることを知らないため、誰かを支えることで自分の存在意義を見出します。

 

例 歌手 中森明菜

f:id:NAMATU:20191013094311p:plain

レコード大賞を史上最年少で受賞し、翌年にも受賞した当時では異例となるレコード大賞連続受賞を成し遂げた人です。今でも、テレビで見かけることが多い人物ですね。しかし、人気絶頂期の彼女は起伏が激しく、気まぐれな性格をしていました。事務所との大喧嘩、コンサート中に号泣、噴水に飛び込むなどの情緒不安定な行動も見受けられました。

 

一方で、家族想いで情に厚い一面もあり、歌手を目指した理由も家族の生活費を稼ぐためでした。また、近藤真彦(マッチ)にも一途に尽くしていたことも有名です。しかし、結局はマッチに振られて自殺未遂を起こし、両親とも絶縁し、周囲の人との関係も悪化し、離れて行ってしまいました。

 

3.失調型の傾向が強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012134833j:plain

繊細過ぎて、対人関係に気疲れしやすく、不安や緊張を感じやすいタイプ。時折、精神的に落ち込みやすく、錯乱して幻聴が見えることも。回復する時は、短期間で通常の生活に戻れる。しかし、安定していても対人関係はストレスになりやすい。

 

静かに落ち着いた生活、新奇性を求めた生活の両方を求めますが、刺激が多すぎると対応しきれません。しかし、マイペースに合わせた生活をすることで大きな破綻を防いで、安定した人生が歩めます。

 

例 作家 ヴァージニア・ウルフ

f:id:NAMATU:20191012134729j:plain

「波」、「灯台へ」、「ダロウェィ夫人」で知られるイギリスの女流作家です。大変な美貌をもった持ち主でもありましたが、若いころから「発作」に見舞われ情緒は不安定でした。しかし、レナード・ウルフという地味で誠実な人を生涯のパートナーに選ぶことにより、「発作」に見舞われたことはあっても、安定的な人生を送りました。

 

4.回避性の強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012135116p:plain

ベースに回避性を抱えており、自分が傷つくことを極端に恐れるタイプです。失敗や恥に対して敏感で、責任からも逃れようとします。面と向かい合う関係が苦手です。

 

背景には、あまり褒められずに育てられた人が多く、自分に自信がないことがあります。正反対に、過保護に育てられた人にも当てはまることがあります。社会に出て周囲にきつい言葉を浴びせられ、自信をなくしてしまうようです。

 

本音を素直に言えないことが原因で、自分に自信がないことを理由に意見を言えません。また、学業、恋愛においても自分の本音を言って拒絶されること、極度に恐れています。

 

本心からやりたいことをできない以上、ストレスが溜まりやがて動けなくなっていきます。このタイプの回復方法はシンプルで、本音を口に出して行動しそれに基づいて行動するだけです。

 

5.自己愛性が強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012135516j:plain

一見すると、自信家のように見え、不安な要素はないよう思えます。しかし、少し親しくなると、感情の起伏の差が大きく、さっきまで陽気に話していても、いきなり不機嫌になるなど感情のコントロールが苦手です。

 

傲慢、ナルシスト、利己的などの特徴を持つ自己愛性パーソナリティと境界性パーソナリティ障害が組み合わさったようなタイプです。

 

このタイプの典型的な背景は、幼いころは愛情をもって育てられましたが、途中から愛情を奪われるような体験をしていることです。そのため、承認欲求が満たされず、本人の中に燻り続けています。

 

また、このタイプに頻発する症状はDVです。距離が近ければ、近い人に暴力を振るいやすく、本人もわかってはいるがやめられない状態です。

6.演技性が強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012135716j:plain

演技性パーソナリティは内面の空虚感や寂しさを、人の注目と関心を得ることで発散させようとするタイプです。周囲が目を引くようなパフォーマンスや性に対するこだわりが強い特徴も持っています。

 

女性の場合、親から十分な愛情をもらえず、自分には価値がないと思い込んでいた矢先に、自分の肉体を男たちが求めてくることに満足感を得ているなどです。このようなタイプには自分の身体は周囲の賞賛を得る道具になります。

 

また、snsでいいねを求めているような人も多く、周囲からの評価も気になります。社会的成功を収めたとしても、常に心に空虚感が漂い、満足することはありません。

例 タレント 飯島愛

f:id:NAMATU:20191013094421p:plain

自叙伝の「プラトニック・セックス」では、厳格な家庭環境で育てられた幼少期、家庭では認めてもらえないため、不良や夜の街に居場所を求めた過去が明かされています。しかし、男女関係のもつれや、シンナー仲間からのレイプ、自殺未遂を経験します。

 

その経験を元に今度は強かに生きていこうと決意し、自分の魅力を使ってホステスとして稼ぐことにします。しかし、空虚感が消えないため、稼いだお金も男に貢ぎなくなってしまいます。その後、AV女優、タレント活動で活躍しました。

7.反社会性が強いタイプ

f:id:NAMATU:20191012142656j:plain

反社会的な行動をすることでスリルを得ようとするタイプです。親または、権威のある人に失望した人に多い症状です。反社会的なスタイルでアイデンティティを確立します。ただし、境界性パーソナリティを併発すると、危険な行動、ドラッグに走ってしまうこともあります。

 

以上が境界性パーソナリティ障害のタイプ一覧です。
自分や周りの人に当てはまるようなタイプはあったでしょうか?

次回は解決策を記していきます。