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名松がおすすめしたい知識を本を通して紹介するブログです。

解決編 境界性パーソナリティ障害の対処法

解決編 境界性パーソナリティ障害

本書には様々な解決法が掲載されていますが、要点をまとめてお伝えします。なお、情報に過不足が感じられる場合は、質問または本書をご購入購読してもらえると幸いです。

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まず、境界性パーソナリティ障害を発症した場合、親が下手に手助けしようとしても関係は改善されません。また、本人が自傷行為や自殺未遂、癇癪を起こすこともあります。反対に支える側が自責の念に陥ってしまうこともあります。それが原因で親子共倒れになると元も子もありません。

共倒れを防ぐための対策

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境界性パーソナリティ障害になるまでの典型例として、二段階の過程があります。

  1. 現実でのつまづき
  2. 本人に失望した周囲の対応

第一段階は、学業などの現実でのつまずきです。本人が「しっかり出来ないとダメ」だと思っている以上、焦りが生じてしまします。

 

次に、第二段階は本人に失望した親や周囲の対応です。ここで正常に対処すれば発症しにくいでしょう。しかし、本人を叱責したり、親の願望を押し付けてしまうと本人の本音を押し殺してしまい感情にもつれが生じます。

 

加えて、現実でもつまずいているため、安心できる居場所なく、発症してしまいます。

対処法を学ぶ

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境界性パーソナリティ障害を発症した両親に意外に多いタイプが、厳格な家庭または、甘やかしすぎる家庭です。ちなみに、親が少し抜けていると子がしっかりするようです。

 

厳格な家庭、甘やかす家庭の共通点は本人の意志とは関係なく、価値観の押し付けや本音を話させない行為が行われている点です。両親も常識だからと気づいていない場合もあります。その場合、関わり方の改善が対処法となります。

5つの関わり方をまとめてご紹介

同じ距離感を保つ

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これが最も重要であると本書では語られています。対応の失敗として一番よくあるパターンは、最初は熱心に問題に取り組もうとしますが、八つ当たりなどの同じ失敗が繰り返されて関りを避けるようになってしまうことです。

 

しかし、相手はパーソナリティ障害なので、正常な判断力を失っています。簡単に解決できる問題ではなく、長期的に対処していくことで少しずつ改善していきます。

先入観や推測で相手を決めつけず、本人の意見を聞く

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一般的な家庭で多い問題が、親が子供の意見を先回りして言ってしまい、本人に言わせないことです。察しがいい人に多いのですが、察することにより相手の意見を話す場を奪ってしまっています。そうすると、自分の意見を持たない人になり、主体性と責任が生まれません。

 

改善策は、親の思い込みを一切排除して接することです。察することがあっても、本人に疑問形で確かめる、または自分からは話すのではなく、本人にどう思っているか聞いてみることをしましょう。

できること、できないことを明確に伝える

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一言に支えるといっても、目的なく支えていると本人が甘えすぎます。そのため、できることの境界線をはっきり伝えておきましょう。

 

また、双方で決めたルールが守れない場合は、入院させるなどのペナルティを事前に冷静な口調で伝えておきましょう。先に伝えておくことで、デメリットを考えた行動をとりやすくなります。

感情的に当たり散らしたり、試すような行動を取られた時どうする?

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これが非常に困難で辛いポイントですね。感情的に来られるとどうしても、感情的に反撃したくなります。結果、双方とも傷つき、最悪なパターンに陥ってしまいます。

※暴力を振るわれた場合は庇うことは絶対にせず、しかるべき処置に移りましょう。

 

これを避けるためには、まず相手の気持ちを受け止めてあげましょう。「辛かったんだね~」などと同調します。ただし、そこで終わらせるのではなく、「どうすればいいか考えてみようよ」など、客観的に状況を整理して相手に伝えます。そうすることで、感情をコントロールする過程を学んでいくことにつながります。

 

試されたときには、ユーモアに答えるか「何か話したいことがある?」など優しい口調で応じてあげてください。本人でも自覚なく、イライラしていることもあり、冷静に辛抱強く対処しましょう。

傾聴するテクニック「映し返し」

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営業職に付いている方には、自然に身に付いているのかもしれません。オウム返しのようなテクニックです。

 

やり方は簡単で、相手の言ったことを要約したり、整理して返します。その際、「これは~ということ?」など意味を確かめながら聞いていきます。

 

映し返しには、2つのメリットがあります。1つ目は傾聴するので、善悪の色眼鏡が入らないこと。傾聴された相手は自分が受け入れてもらえていることに満足感を得ます。

 

2つ目は、セルフモニタリングの機能があること。本人の行動を言葉に表すことで客観的な物事の見方になり、自己コントロール能力に繋がります。

 

以上が境界性パーソナリティ障害の解決策です。ただ、支える側も3年ほどの辛抱強さは覚悟しないといけない模様です。もし、身内に困っている方がいた場合も使ってみるのもいいかもしれません。上記の方法は認知行動の改善にも繋がります。

 

これで、全3回に渡る「境界性パーソナリティ障害」についてのおすすめを終わります。