人間を飼っていた記録
人間を飼うポイント
奴隷と聞いて、どんなイメージが思い浮かびますか?
私は歴史の教科書に載ってた「なんか、ひどい扱いを受けていた人達」ぐらいのイメージでした。あとは、漫画やアニメなどで見聞きするぐらいです。本当の奴隷について意外と知らないことが多いですよね。
今回は「奴隷のしつけ方」を通して、人間を飼うときに心掛けるポイントをご紹介します。奴隷を飼ったことがある人はもしかしたら、共感いただけるかもしれません。
奴隷ってどんな存在?
基本的に奴隷には法律上の権利が認められていませんでした。現代で言い換えると、犬や猫などのペットと法律上の扱いはさして変わらなかったようです。
ペットと同列な扱いですから、繁殖を決めるのも主人の意向、どのように扱うのかも自由でした。ちなみに、動物保護の観点は奴隷においてありませんでしたから、ペットよりは過酷な扱いでした。
※犬や猫は人権がないため、法律上モノ扱いになります。
人間を飼うときに心掛けるポイント
奴隷は若いやつを買い付ける
男は重労働の働き手、女は家内の働き手を担うことが一般的でした。
しかし、奴隷市場での仕入れ状況は劣悪な環境でした。そのため、買い手は健康な奴隷を見分ける必要があったのです。奴隷商人は商品に目立つ傷があれば、化粧品を使って誤魔化しましたし、病弱で顔色が悪い奴隷には頬に紅を塗るなどの行為が平然と行われていました。
基本的に、若い奴隷で特に異常がなければ”買い”でした。加えて、字が書ける、計算能力があるなど、何らかの技能を身に付けていると高値で取引されました。
一番のおすすめは、家内奴隷
一部のローマ人の間では、家内出身の奴隷が好まれました。理由は生まれた時から奴隷なので、奴隷という身分に慣れているためです。外から買ってきた奴隷は、奴隷に慣らす必要があり骨が折れたのでしょう。これは、動物園出身の動物が人間慣れしていることと似ていますね。
奴隷が悪さを働いたら?
当時、奴隷が悪さを働いたときは鞭打ちが用いられました。痛みを植えつけることで、従順に従わせるためですね。しかし、鞭で打つのは心を痛める家主は、鞭打ちサービスを頼っていたようです。
さらに、重い罪を重ねた時は、コロッセウムでライオンに喰わせる猛獣刑や鉱山送りになっていました。この時代の奴隷への罰は家主の裁量で決まることが多く、奴隷の扱いは家主の性格や気分に委ねられていました。
奴隷にも息抜きが必要
家主と奴隷が身分を超えて騒ぎあう宴会。サトゥルナリア祭が1年に一度行われました。普段、質素な食事をしている奴隷もこの時は、家主と同じ肉や酒を口にできました。ただ、無礼講といっても、奴隷が家主に行き過ぎたことをしては罰せられたので、本当に息抜きになっていたかは不明です。職場での飲み会に似ていますね。私は苦手ですが…
イケメン、知的な奴隷には気を付けるべし
容姿端麗な奴隷は、街中で悪態をつくことが多く、問題を起こしやすいと思われていました。たぶん、ヤンキータイプだったのでしょうね。
また、頭がよすぎる奴隷は他の奴隷と結託して反乱を起こそうとしたり、奴隷の仕事の中でも楽な仕事に就こうとしたりで警戒されてたようです。スパルタクスの反乱の例もあり、意外と恐れられていたようです。
以上、人間を飼うときに気を付けるポイントでした。現代人の目線からすると、非人道的な扱いが目立ちますね。しかし、世界には未だに27万人の奴隷が存在していると本書に書かれています。案外、身近にも存在するのかもしれません。