見えない貧困~先進国に特有の相対的貧困について~
先進国にも貧困はある!
貧困があるのはアフリカだけではありません。国内にもあります。普段、私達が考える貧困と特徴が違います。今回は先進国にある相対的貧困についてご紹介します。
相対的貧困って何?
食べるものがなく、飢餓の危機にあり貧困を絶対的貧困といいます。私達が良く考える貧困です。対して、相対的貧困とはその国で暮らすのに困窮している状態を指します。
そもそも、先進国では物価が高いため「健康的で文化的な人間らしい生活」を維持するのにある程度の収入が必要になります。相対的貧困とはその維持が困難であることを指します。
相対的貧困の定義方法
国内における全世帯の所得の中央値より半分以下の年収で暮らす人々を指します。日本の場合、所得の中央値は244万です。その半分の122万円以下で暮らす人々が相対的貧困になります。
日本における相対的貧困層の割合は15.7%です。国民の約6人に1人が該当します。OECD加盟国の相対的貧困層の平均割合は11.8%なので、日本は平均よりも4%高いようです。
見た目からは判別しにくい~Point~
見た目がガリガリならば、貧困だと判別できます。しかし、相対的貧困の場合、服を着て、スマホを手にし、ハンバーガーを食べています。まるで、中間層のように見えます。選択肢がないため、暮らすのに最もコストが低い手段を取っただけなのですが…
シングルマザー・高齢者・子供の相対的貧困
- シングルマザーの場合
日本ではシングルマザーのうち、54.6%と約半数が相対的貧困に陥っています。原因には、パートや派遣などの非正規雇用です。妊娠出産後の女性の雇用機会が制限されることがそのままシングルマザーには直撃してしまうようです。日本では女性の権利保護、社会進出が文化的に遅れたことも一因です。
- 高齢者の場合
66歳以上の日本の貧困率は19.6%で、生活保護受給世帯のうち47.4%が高齢者です。高齢なため、一度貧困に陥ってしまうと自力脱出が難しいことが原因のようです。個人的には生活保護を受給しておいても、いいのではないかと思いますが…
- 子供の場合
日本の子供の貧困率は13.9%です。子供の貧困はシングルマザーと密接に関わってきます。最近、女性が男性に求める年収の基準が高すぎるニュースを目にしましたが、ただお金に関して不安なんだろうなと思います。結婚した男性と離婚するようなことになれば、年収が少ないと女性側は貧困一直線ですからね。
子供が貧困であると、何が問題化といいますと、虐められやすくなってしまいますよね。見た目がみすぼらしかったり、本人がやりたいことさせてあげられないと、劣等感や絶望感が育っていくうえで身についてしまいます。
すると、カエルの子供はカエルのように格差が固定されてしまいます。格差が固定され、上級国民のように階級制が顕著になると社会が発展していかないです。
以上が見えない貧困についてでした。お金の再分配って大変なイメージで、みんなが納得する答えは出ないように感じてしまうのですが、どうなんでしょう?
参考文献:「2030年の世界地図帳」
https://www.statista.com/statistics/233910/poverty-rates-in-oecd-countries/