人を傷つけずにはいられない人の正体
話が通じへん!あの人意味わからん!
大学時代、アルバイト先の店長に訴えました。すると、店長は「ああ、あいつ意味わからんやろ。」と相槌を打ってくれました。同じ言語を話しているはずなのに、意思疎通が図れない人が存在することを学びました。私の実体験です。
- 話が通じへん!あの人意味わからん!
- なぜ、このような事態に陥ったのか?
- 人を傷つけずにはいられない人の正体
- モラルハラスメントって何?
- モラルハラスメントのやり方
- モラルハラスメントを行うのはどんな人?
なぜ、このような事態に陥ったのか?
私はコンビニのバイトを始めたばかりでした。業務のやり方を教えてもらうのですが、その人は教えるという体で、怒鳴り散らしてきました。なぜ、それをする必要があるのか?と聞いても、大きく怒鳴り散らすだけで、全く話が通じませんでした。
さらに、上から目線でああしろ、こうしろと指示されます。指示通りにやっても、少しでもやり方が違うと怒鳴るんですね。また、その人は常に従業員を監視する鋭い眼差しで、周りのバイトのおばちゃんも委縮するばかりでした。
私は「あれ、怒鳴られる以外の逃げ道なくない?」とか、「これ何やってもダメだな~」と思い、店長に訴えることにしました。
その際に、今から紹介する本を書店で買い、一気読みしてたのです。「対処法を学ばないと!この体験は自分以外の誰かもしているはず!」と思っていました。先人たちの知恵を学ばないと対処できなかったのです。
人を傷つけずにはいられない人の正体
そこで、学んだ対処を「モラル・ハラスメント~人を傷つけずにはいられない~」を通してご紹介します。著者はマリー=フランス・イルゴイエンス、翻訳者は高野優さんです。
この本は「モラルハラスメント」という言葉を世に定着させました。今でも、良く語られるモラハラはこの本が発祥となっています。モラルハラスメントとは?、家族編、職場編の3回にわたってお届けします。
モラルハラスメントって何?
モラルハラスメントとは、言葉を用いた精神的な暴力です。言葉の暴力を受けた被害者は、最悪自分を追いつめて自殺してしまうケースもあります。そうでなくとも、長い期間関わることにより精神的に擦り切れ、心身に悪影響が生じます。
厚生労働省が発表した「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査)」においても、職場でのストレスを3割の方が抱えています。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/h30-46-50_kekka-gaiyo02.pdf
モラルハラスメントのやり方
モラルハラスメントのやり方一覧です。自分の近辺にいないか、思い出しながら見ていきましょう。モラルハラスメントには、大きく分けて2段階の過程を踏みます。支配の段階と精神攻撃の段階です。
1.支配段階の行動
自分が支配するために、相手から考える力を奪っていきます。次の精神的に暴力を振るう際の準備段階です。
①相手を惹きつける
まず、自分に好意を持ってくれる人を見つけます。そして、嘘や誇張を用いて、自分に同情させます。例えば、いかに自分が不幸な子供時代を過ごしたのかを訴えるとします。
普通の人であれば、「ふーん、辛かったね」で終わるでしょう。しかし、好意を寄せている人に身の上話をされると、ターゲットの相手は「支えてあげたい!」または、「守ってあげたい!」など、普通以上に肩入れしてしまいます。まるで、ダメな男に引っかかる女の子のように。
②相手の感情に訴える
論理的説得をせず、相手の感情に訴える方法をとります。または、相手の弱いとこを突いて、相手を従わせます。
③相手を精神的に服従させる
相手の意見や考え方を認めず、洗脳のような説得を行います。こうすることで、相手のアイデンティーを失わせて、自分の思い通りに動かそうとします。
2.精神攻撃の段階
モラルハラスメント特有のコミュニケーションを図ります。相手と意志を通ずるために行うのではなく、相手との対話を拒否するために行われます。
真実の情報を伝えず、相手に混乱を与え、相手の力を失わせていきます。 はっきり言わずにほのめかしたり、急に黙ったり、無視して相手を不安に陥れることもします。
①直接的なコミュニケーションを拒否する
2人で何かついて話し合うことをしません。何か質問しても、加害者側は答えることを避けます。答えないことで賢さを表現できると思っているからです。
会話ができないとなると、言葉以外の態度のコミュニケーションに頼るしかありませんが、相手に無駄に神経を使わせて、結局うやむやのまま終わってしまいます。
②会話を歪める
会話の受け答えの際に、冷淡な反応を示します。話し相手も「何か悪いことしたのではないか?」と考えをめぐらしますが、加害者側は具体的な話をしないので、一生答えにたどり着くことはありません。そうして、相手を不安にさせます。
曖昧な言い方もモラルハラスメントです。
例
義母「駄目よ。これじゃ」
女婿「どうしてです?」
義母「言わなくたって分かるでしょう?」
女婿「わかりませんね」
義母「じゃあ、考えてごらんなさい」
日常でもよくありそうな光景ですね。ただし、これもモラルハラスメントに該当します。わからないと言っているのに、考えなさいというのは、既にコミュニケーションが成り立っていませんね。その他に、難しい言葉を使って自分を偉く見せようとすることもあります。
③相手が誤解するように仕向ける
思わせぶりな態度で、誤解させたり、間接的なものの言い方で相手にストレスを与えます。相手の確かめる質問に対し、はぐらかしたり、貶めて返すため、さらにストレスがかかります。
また、人間関係に不安の種をまきます。「友達があなたのことを嫌がっていたよ」などといい、周りを信用させにくくします。
④言っていること矛盾する態度をとる
これも上記と同じく、ただ相手を不安に陥れるためのコミュニケーションです。加害者は自己愛が高く、自分のことを特別に感じたいためこのような行動をとります。一般の人は理解できないですね。
モラルハラスメントを行うのはどんな人?
自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)
1.自分が偉くて、重要人物だと思い込んでいる
2.成功できる幻想を持っている
3.自分のことを特別な存在だと思っている
4.他人から賞賛されたい
5.すべて自分のおかげ
6.相手を利用することしか考えない
7.共感できない
8.他人を羨望している
※5つ以上に当てはまると、自己愛性人格障害だと診断されます。
上記のような、自己愛性パーソナリティ障害に極めて近い人物像のようです。サイコパスとしか思えないですね。このような人物のため、理解なんて出来ないことも納得できます。
以上で「モラルハラスメント」の概要について大まかに解説しました。
次回は、職場編をご紹介していきます。