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名松がおすすめしたい知識を本を通して紹介するブログです。

実験で明らかになった効果的な勉強方法③

想起学習を使った具体的な勉強方法

 今回は想起学習を用いた具体的な勉強方法をご紹介します。

過去記事は↓です。

www.namatublog.work

クイズで理解度を数字にする

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教科書を読んだ後に、クイズやテストをして、本当の理解度を数字にします。

何問中何点とれたかを書いておき、復習が必要な箇所は反復して練習しましょう。その際に、教科書を見ると思うのですが、何が必要な情報かを意識して読んでみてください。

実際にやってみると、意外に正答できなくて焦ることがあります。しかし、クイズのポイントはわかっている箇所とわからない箇所を判別することです。むしろ、わからない箇所を洗い出したことにより、前進しています。

勘違いしないで欲しいポイント

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この学習方法は楽ではありません。なぜなら、わかったつもりでいる錯覚をなくす勉強方法のためです。すべて錯覚ですが、教科書を何度も読み返し、マーカーで装飾したことを誇るほうが簡単でなんとなく満足感に浸れるでしょう。

しかし、能力不足の人は自分の能力に気づきません。(ダニングクルーガー効果より)

能力という抽象的な表現を、具体的な数字に変える。これが、クイズの効果です。始めは困難で焦りも生じることもありますが、継続的に取り組んでいくことにより、自分の力になるでしょう。

間隔練習を取り入れる

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クイズの結果を復習するときに、むやみに何度もやり返すのは効率的ではないです。どうしても、テスト期間まで時間がない状況は出てきます。その時はまだ理解度が低い科目を優先した方が得策です。

理解度が高いものは、2日に一回、1週間に一回などに頻度を下げていきましょう。一方で、理解度の低いものは、1日に一回、二回など復習の頻度を高めていきましょう。このように、科目の優先順位を考えることにより全体の合計点数を引き上げます。

本書の具体的なアドバイスとしては、クイズをする以外にはありませんでした。しかし、想起学習の思い出すことにより頭に定着させる方法さえ知っておけば、他の勉強方法にも応用可能です。以下では、想起を使った勉強方法をご紹介します。

相互教授法(相手に説明する)

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勉強したことを友達や親に説明してみましょう。テレビでは池上彰さんの解説や林先生の解説が有名ですよね。モノマネしてしまっても、構いません。なぜ、有効かというと勉強した箇所を言語化することで、説明出来ない箇所がはっきりします。また、他人の目線で説明を聞いてもらえるので、説明を聞いてわからない箇所を質問してもらえます。

また、思いがけない質問が飛び出してくることもあるでしょう。それらの質問に回答するために学習し直す必要性に駆られるはずです。他者を通してある種のテストを受けているようなものなので、理解度の向上が望めます。

仲間同士の教え合いが説明効果を大幅にアップ

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同じ科目を勉強する仲間に説明を行うと、モチベーション、理解度が大幅にアップする研究成果が出ています。しかし、注意点もあります。グループ内の頭のいい人に依存して、すぐに答えを聞き出そうとする人が出てくるからです。相互教授ではなく、ただの依存的な関係になってしまうのは避けましょう。

友達がいない人用

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「友達いない人はどうしろと…?」と思った方もいるかもしれません。例えば、虐められている人や新学期早々で友達作りが出来ていない方、通信制の高校や専門学校の人の中にも、友達がいない人は一定数いますよね。

無理して、友達を作る必要はありません。気が合う人と話していればいいですし、戦略的に友達を作っても精神的にしんどいだけです。

今の時代はネットがあります。個人情報を流さない様に配慮しつつ、TwitterFacebook掲示板などのSNSを通して説明してしまいましょう。誰かはわかりませんが、他者とのつながりは出来ますし、意見や質問も聞けるでしょう。

 

以上が、想起学習を用いた具体的な勉強方法です。「意外にシンプルだな」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、安易な勉強方法を用いて成績を落とすよりは愚直に行った方が効果的です。


参考文献:「使える脳の鍛え方」、「メタ認知」、「感情心理学・入門」

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協同学習とは? - 国立特別支援教育総合研究所

https://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_f/f-140/f-140_1.pdf